ピアスマイルの活動

患者サポート

 子どもが重い病気になると、親元から離れての入院生活が始まります。入院中は、ベッド上安静、病棟から出られないなどの様々な制限があり、子どもたちは伸び伸びと過ごすことが難しくなります。
 さらに、長期入院になるとすべてが病院内での生活となり、辛い治療をしながらも家族、友達に会えない寂しさや不安が募ります。
しかし、どんな辛い状況でも、子どもたちの日常はそこにあります。
それぞれの病気により行動範囲の制限に違いはありますが、体調の良い時は病院内にある院内学級に毎日通います。院内学級では、普通の学校と同じように勉強をします。友達との交流や、季節ごとの行事などもあり、入院によって生活リズムが乱れがちな子どもたちの精神的な支えとなっています。
辛い治療、家族と会えない寂しさが募る日々…その中でも、子どもたちは何か楽しいことを見つけ、入院生活を乗り越えていこうとします。ピアスマイルは、その力になります。
入院中でも外の世界と関わり、子どもたちが楽しい時間を過ごし、少しでも病気に立ち向かえる勇気を持ってほしい。だから、私たちは子どもたちに楽しい時間を贈ります。

家族サポート

一方で、病気になった子どもを持つ家族も、生活が一変し不安や孤独に苛まれていきます。昨日までの日常は、日常ではなくなります。

実際に治療が始まり、子どもたちの苦しそうな様子を目の当たりにすると、家族もとても辛くなります。ママが泣いていたり、パパが嘆いたりしていたら、子どもたちは自分のせいで、ママが悲しみ、パパが苦しんでいると思ってしまいます。

家族が辛い現実を受入れ、一歩踏み出すためには、同じ経験をしたわたしたち仲間が寄り添い、話を聞くことが大きな力になります。子どもたちの前では話すことのできない胸の内を、仲間に話し、共感してもらうと、明るい希望を持てるようになります。

家族が明るい希望を持ち、笑顔で「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ」と声をかけ続けると、子どもたちは、心から「大丈夫!」と思えるようになります。前向きに、治療に立ち向かうことができるようになります。

きょうだい支援

また、親御さんと同じように、きょうだいたちも闘っています。

どうしても、親御さんは病気の子ども中心の生活になってしまいます。しかし、病気になった子どもだけではなく、そのきょうだいたちも日常生活が大きく変わり不安な気持ちになっています。

ママといる時間が減ってしまう、留守番が増える、思うように遊びに行けない…今までの生活が出来なくなり、様々な我慢を強いられます。親御さんは病気の子どもを守るために必死になってしまうため、元気なきょうだいたちには、ついつい我慢をさせてしまいます。

病気の子どものきょうだいたちは、どんな年齢でも大人の異変を感じ取ります。子ども心に、自分は親を困らせてはいけないと思うようになります。家族の中で、孤独や疎外感を感じ、次第に心を閉じてしまいます。

きょうだいたちが、孤独にならないように、自分は「ここに居ても大丈夫!」と思える居場所が必要です。「君は一人じゃないよ」と伝え続け、寄り添い、見守る大人の目が大切です。自分に目を向けてくれて、自分の気持ちを聞いてくれる人が一人でも多くいれば、不安な状況でも安心できるようになります。

心が安定した生活ができるようになると、病気のきょうだいのことも思いやれるようになります。看病、仕事、家事で忙しい親御さんのことも理解してくれるようになります。 そして、家族が一丸となり、希望を持って病気に立ち向かえるようになります。

ピアスマイルの仲間たち


代表

代表

ピアスマイルができた経緯から話します。
14年前 我が子を骨髄性白血病で亡くしました。ドクター、ナース、ボランティアの方々に支えられて長い闘病生活を過ごせた感謝から、お世話になった病院で小児患者の会を13年間続けてきました。
あの当時、入院中の我が子にやってあげたかったこと、こんなことがあったら喜んだであろうイベントを企画、開催して子供たちに楽しい時間を贈ることを行ってきました。
また、入院中の子どもだけではなく、患者家族に寄り添う場所や時間をつくること、きょうだい児支援としての預かり保育なども細々とやってきましたが、既存の会では制限が多く限界を感じたことからNPO法人ピアスマイルを立ち上げました。

闘病中は病気の子ども本人もその家族も辛いことの連続です。その中でも、少しでも楽しいと思える時間の提供をし、退院後も辛い治療だけではなく楽しいこともあったと思いだしてほしいと思います。
また、なかには亡くなられてしまう方もいます。その方にとってはあの時は『この時』しかありません。残された家族があの時共有した楽しい時間を思い出すことによって救われることがあると思います。
私たちは今この時間を大切に支援してまいります。
大浦真理子


仲間たち

仲間たち

病気を克服した子ども…もう立派な大人になっています。
その子どもを支え、病気に立ち向かった親、きょうだいたち。
また、病気で子ども亡くした親、きょうだいたちも、希望を持って前向きに生きています。
たくさんの仲間が、それぞれ経験したことを、誰かのために役に立てたい、力なりたいと活動しています。
私自身も、2008年7月に長男を急性骨髄性白血病で亡くしました。
14年経った今でも、泣かない日はありません。
でも、家族、仲間、周りの方々に助けていただき、一日一日を積み重ねて生きてきました。
今度は私が、誰かを助ける番。
どうぞ、安心してピアスマイルの扉を開けてください。
仲間たちが待っています。

佐藤正美


仲間たち


私が代表の大浦さんから
「病院の子供達を笑顔にする手助けをしてほしい」
と声をかけていただいたのが、10年程前。
それから毎年数回、病院内にて「江戸紙きり」の芸をボランティアで披露させて頂いておりました。
 活動を通じ、患者さん、親御さん、病院スタッフさんが共に楽しんで頂く事の重要性を改めて学びました。
 ピアスマイルの活動がより多くの方に笑顔を届ける手助けになればよいと思っております。


※日本で数少ない江戸時代より伝わる伝統芸能。
本人は『はさみ家紙太郎』として 1998 年より、
日本演芸家連合の加盟団体ボーイズバラエティ協会所属。
テレビ、演芸場、ホテル、教育機関等、多方面で活躍しているプロの紙きり師です。


はさみ家紙太郎